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投資助言業とは

投資助言業とは、

相手方に対して、「有価証券の価値等」「金融商品の価値等の分析に基づく投資判断」に関し、「口頭、文書、その他の方法」によって助言を行い、その対価として報酬を頂くことを内容としています(法2条8項11号)。

その場合、「有価証券の価値等」というのは、具体的には、

有価証券に投資を行うことによって得られるであろう利益(値上がり益、利子等)、と解釈されています。

よって、例えば、単純に景気動向、企業業績等を助言するだけでは、一般的にはこの「投資助言」を行ったことにはなりません。

「金融商品の価値等」とは、金融商品の動向、オプション対価額等と解釈されています。

これらの情報をベースに例えば、投資対象となる有価証券の種類、銘柄、売買のタイミング等まで踏み込んだ助言を行い、対価として報酬を貰うのであれば、金融商品取引法下の「投資助言業」に該当するものと考えられます。

不動産証券化のスキームの場合、信託受益権の取得、売却のタイミング等の助言等に関して、投資助言に該当する可能性がございます。

それでは、「投資助言の該当しない」ケースはどのような場合でしょうか?(監督指針に記載がありますので抜粋します。)

投資助言・代理業に該当しない行為(金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針Ⅶ-3-1 登録⑵②)
 例えば、以下イからハまでに掲げる方法により、投資情報等の提供を行う者については、投資助言・代理業の登録を要しない。
ただし、例えば、不特定多数の者を対象にする場合でも、インターネット等の情報通信技術を利用することにより個別・相対性の高い投資情報等を提供する場合や、会員登録等を行わないと投資情報等を購入・利用できない(単発での購入・利用を受け付けない)ような場合には登録が必要となることに十分に留意するものとする。

イ.新聞、雑誌、書籍等の販売
(注)一般の書店、売店等の店頭に陳列され、誰でも、いつでも自由に内容をみて判断して購入できる状態にある場合。一方で、直接業者等に申し込まないと購
入できないレポート等の販売等に当たっては、登録が必要となる場合があることに留意するものとする。

 
ロ.投資分析ツール等のコンピュータソフトウェアの販売(FXソフト等が挙げられます)
(注)販売店による店頭販売や、ネットワークを経由したダウンロード販売等により、誰でも、いつでも自由にコンピュータソフトウェアの投資分析アルゴリズム・その他機能等から判断して、当該ソフトウェアを購入できる状態にある場合。一方で、当該ソフトウェアの利用に当たり、販売業者等から継続的に投資情報等に係るデータ・その他サポート等の提供を受ける必要がある場合には、登録が必要となる場合があることに留意するものとする。

 

 ハ.金融商品の価値等について助言する行為
(注)有価証券以外の金融商品について、単にその価値やオプションの対価の額、指標の動向について助言し、その分析に基づく投資判断についての助言を行っ
ていない場合、又は報酬を支払うことを約する契約を締結していない場合には、当該行為は投資助言業には該当しない。
例えば、単に今年の日本の冬の平均気温について助言するのみでは、投資助言業には該当しない。

尚、顧客に対し、有価証券の価値等を助言することを約し、対価として報酬を受けること約することが投資助言の概要ですが、よって顧客から報酬をなんら受けないことを約する、というのであれば、基本的には投資助言業にあたらない、ことになります(尚、この対価性の問題は、実態的に検討するため、慎重に検討しなければなりません)。


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